高麗人参についての基礎知識

高麗人参の代用になるものってある?

高麗人参と言えば有名な健康食品です。その効能は多岐にわたり、免疫力のアップやアンチエイジング、血流改善やホルモンバランスの調整など様々なものがあります。
しかし、積極的に摂取したくても価格が高くて気軽に買えないという方もいるでしょう。
今回はそんな方のために高麗人参の代用を務めることが出来る食品を紹介します。

高麗人参と同じ成分を含む食品とは

そもそも高麗人参の代用品としてみなすにはどういった点を見るべきか。それはやはり同じ成分を含み、同じような効能がある食品こそが代用品と言えるでしょう。
今回は高麗人参の主成分であるサポニンを含む食品を代用品としてご紹介します。

サポニンは抗酸化作用や免疫力向上、肥満予防や肝機能の改善など様々な効能をもつ成分です。天然の界面活性剤とも呼ばれ、水に混ぜて溶かすと石鹸のような泡を立てる成分です。天然の石鹸として使われることもあります。
マメ科の植物に多く含まれていて、強い苦味を持つのも特徴です。含まれる植物によっては成分が異なることもあり、「○○サポニン」と含んでいる食品の名前を前につけて呼ぶことも多いです。

よく漢方生薬として利用されることも多く、キキョウやサイコ、甘草などにも含まれています。

また、サポニンは毒性を持っているため、過度に摂取してしまうと溶血作用が引き起こされ、血液内の赤血球が破壊されることで貧血や息切れ、ふらつきなどを誘発する可能性があります。

サポニンを多く含む食べ物としては、大豆や黒豆、ごぼう、お茶あたりが摂取しやすいものです。他にも、アマチャヅルや田七人参といった健康食品にも同じような効果が期待できるでしょう。

代用品は何が違うのか?

高麗人参に含まれるサポニンは、一般的にくくられているサポニンとは若干異なる構造と効能を持っているため、特別に「ジンセノサイド」と呼ばれています。

ジンセノサイドはサポニンの一種ではありますが、原則として高麗人参にだけ含まれている成分です。ジンセノサイドは他のサポニンに比べて大きく違う点が2つあります。

1つは効果・効能が特に高いということ。もう1つは毒性が非常に弱く、ほとんどないと言っても過言ではないことです。

効果・効能が高いというのは、サポニンには免疫力を底上げするなどの効果や効能はありますが、基本的に体に直接作用するような効果が多いのです。しかし、ジンセノサイドに限っては精神や神経部分にも作用します。更年期障害に対してイライラを緩和する効果はよくうたわれているかと思います。

もう1つは毒性が弱い、あるいはないということです。先述した通り、サポニンは多く摂りすぎてしまうと悪影響が出てしまいますが、ジンセノサイドは連続して多量に摂取してもそういった影響がほぼ出ないと言われています。

この2つに関しては完全に代用が出来る食品はほぼありません。代用品を使った場合、いくらか効果・効能が違うのは歯がゆいところではありますが、それでもサポニンを多く含む食品であれば、基本的な効能である免疫力の向上や肥満予防などという点では高麗人参の代用品に出来ると思います。

高麗人参の代用品となる食品の摂り方

では、実際に代用品として摂取できる食品と摂取方法を紹介していきましょう。

大豆

一番摂取しやすい食品というと、やはり大豆でしょう。
畑の肉とも呼ばれる大豆は、簡単に摂取できて栄養も豊富なのでよい食品といえるでしょう。
大豆には大豆サポニンと呼ばれる成分が含まれています。健康維持や病気予防に良い成分であり、同時にタンパク質やビタミン、ミネラルなど多数の栄養素も含んでいます。

大豆を加工した製品にも大豆サポニンは含まれているため、例えば厚揚げ、油揚げ、おから、豆乳、ゆば、がんもどき、豆腐などなど、大豆を使った食品であれば摂取出来ます。

最も大豆サポニンを含んでいる大豆食品は高野豆腐です。高野豆腐は味噌汁に入れたり、煮物に入れたりして摂取すると良いでしょう。味噌汁の味噌、煮物に使う醤油もまた大豆製品なので、高野豆腐がなくてもこれらを使用した食品を食べていても摂取自体は出来ます。

一日に1~2品の大豆製品を摂取できれば十分と言えるので、一日に一度味噌汁を食べたり、夜におでんのタネなどでがんもどきを食べたり、あるいは醤油・味噌を使ったものを食べていれば容易に摂取出来ます。

また、黒豆も大豆と同じです。ただし、黒豆の場合は煮豆や黒豆茶として摂取するのが主となるでしょう。

ごぼう

次に摂りやすいのはごぼうです。主にサポニンは皮の部分に含まれているので、できれば皮も摂取することが理想です。抗酸化作用も非常に強く、食物繊維も豊富なためアンチエイジングや体内の掃除にも効果的です。

ごぼうというと、煮付けたりきんぴらごぼうにするなどの食べ方が浮かぶと思います。しかし、ごぼうは皮も摂るということを意識した場合、手っ取り早く摂取するためにはごぼう茶にして飲むのが手軽かと思います。

しかし、手軽に摂れる分飲みすぎてしまうと、うっかり過剰摂取となり悪影響が出ることもありえるため、ごぼう茶として摂取していく場合はがぶがぶ飲みすぎないようにしましょう。

お茶

お茶にも茶葉サポニンと呼ばれるサポニンが含まれています。

よく、ペットボトルのお茶を購入して飲みかけのままバッグに入れっぱなしにしていると、中のお茶が泡だらけになっていた、なんて経験はありませんでしょうか。また、茶道において「お薄」と呼ばれるお湯で溶いた抹茶を茶筅で手早く掻き回すと細かい泡がたくさん立ち、口当たりがなめらかになるなどの現象もご存知でないでしょうか。

あれらは全て茶葉に含まれるサポニンが原因で泡立っているのです。緑茶や抹茶独特の苦味もまた、サポニン由来の味です。

抗菌・抗ウイルス作用も持つため、風邪予防としても良いです。更に緑茶はビタミンCも含むため風邪予防・免疫力向上に最適です。

茶葉サポニンはカテキンやビタミンに比べるとごく微量であるため、飲みすぎてもそうそう悪影響は出ません。逆に言うと、お茶だけでサポニンを摂取しようとすると少々効率が悪いかと思います。

どちらかというと上記の大豆やごぼうを摂取する際の補助的な食品として摂取するのが良いかと思います。

サポニンは水溶性のため、お茶として飲む以外にもお茶漬けにしたり、あるいは抹茶ミルクなどにして飲むのが良いかと思います。

ここまでが手軽に摂取できることに重きをおいた代用としての食品群です。次に、同じような効能や成分に重きをおいた食品を紹介しましょう。

アマチャヅル

日本全国に自生しているウリ科の植物です。主に葉の部分をお茶として利用しています。この植物の葉で作るお茶が「甘茶」です。

昔から民間治療薬としても使われてきた植物ですが、近年研究が進められた結果、高麗人参と同じようなサポニンを多数含んでいることが明らかになりました。その中に、高麗人参にしかないと言われていたジンセノサイドも含まれていたということから注目を集めています。

手軽に栽培でき、葉を刻んで天日干しにしておけばいつでもお茶として飲めますし、効果もがんや生活習慣病の予防などに役立ちます。ただし、妊娠・授乳中のかたや糖尿病患者のかたは摂取する前に一度医師に相談したほうがよいとされています。

また、粉末のアマチャヅルはアレルギーを引き起こす可能性もあるため、気になる持病があるかた、懸念事項があるかたはいきなり摂取するのではなく、一度かかりつけの医師に相談してみたほうが良いかと思います。


以上が、高麗人参の代用品となりえる食品です。手軽に毎日おいしくサポニンを摂取して、健康な人生を歩んでいきましょう。

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